女性の薄毛とフケの関係
不潔なイメージがあるため、なかなか人に話せない「フケ」の悩み。しかし人知れず悩みを抱えている女性も多いんだとか。
またフケと薄毛には密接な関係がありますが、「フケ」=「薄毛の原因」というのは間違いです。フケ症の人が薄毛になりやすいのではなく
薄毛の前兆としてフケが増える場合があるのです。急にフケが増えた場合は注意しましょう。
フケには「パラパラフケ」と「ベトベトフケ」がある
フケには乾燥したパラパラの粉状の「乾性フケ」と脂っぽくベタベタした「脂性フケ」の2種類があります。
乾性フケの最大の原因は頭皮の乾燥。気づくと肩に細かいフケが落ちていた、という場合はこのタイプです。
刺激に敏感になり、フケだけでなくかゆみや抜け毛など全体的な頭皮トラブルにつながります。
脂性フケはその名の通り湿った脂っぽいフケ。頭皮の「垢(角質細胞)」と「過剰な皮脂」が混ざり合ったもので、かゆみを伴うので
つい掻きむしったりしてしまいます。頭をかくと大きなかたまりとなって落ちてきたり、爪の間に入り込んだりします。毛穴につまりやすく、悪化すると
抜け毛や薄毛につながることもあります。また単なるフケではなく「*脂漏性皮膚炎」という皮膚病が原因の場合もあるため、症状がひどい時は
早めに専門医に診てもらった方がいいでしょう。
このように乾性フケ・脂性フケは症状はまったく違います。ただ原因と対策はほぼ同じで、抜け毛・薄毛の改善にもつながります。ぜひ参考にしてみてください。
フケの原因
フケの原因はさまざまですが、以下のようなものがあります。
シャンプーによる皮脂のとりすぎ
洗浄力の強すぎるシャンプー使ったり洗髪の回数が多すぎると、頭皮に必要な皮脂まで取り除いてしまい、頭皮環境が悪くなります。
頭皮が炎症を起こしたり、乾燥したりして乾性フケの原因になります。また乾燥した頭皮は、自己防衛機能により不足した皮脂を補おうと過剰に皮脂を分泌します。
この過剰な皮脂が頭皮の垢と混ざり、脂性フケの原因にもなります。
フケ原因菌(カビの1種)の増加
カビの1種である「フケ原因菌」が増加することによってフケが発生することがあり、フケ原因菌は乾性フケ・脂性フケの両方の原因となります。
この菌は皮脂を食べて生きる菌で、誰の頭皮にも住んでいる、通常は問題のない常在菌です。しかし食生活やストレス・睡眠不足などの生活習慣や
間違った洗髪の仕方(頭皮を清潔にしていない、もしくはシャンプーしすぎている)などにより、この菌が異常に増加する場合があります。
こうして菌が増えすぎると、菌自体の影響や菌の分解で生じた物質が原因となって、フケやかゆみ、頭皮の炎症を引き起こすとされています。
ストレスや運動不足・食生活などの生活習慣
過度のストレスを抱えていたり運動不足になると、新陳代謝が悪くなり、頭皮に必要な栄養素が運ばれなくなります。
栄養の行き届かない頭皮はトラブルが起きやすく、頭皮環境が悪くなりやすいのです。また、野菜をあまり食べず脂っこい物ばかり食べたりする
「偏った食生活」も頭皮に影響します。糖分や脂肪分のとりすぎは脂性フケの原因となる皮脂の分泌を増加させることにもなります。
通常、食事で摂った栄養素は血液中で頭皮に運ばれますが、栄養素が偏っていたり不足していると、同じように頭皮に栄養が行き届かなくなります。
頭皮が栄養不足になるとフケ原因菌が増えたり、頭皮の乾燥を招いてフケが発生しやすくなります。
パーマやカラーリング、整髪料などによるダメージ
パーマやカラーリングは髪を傷めるというイメージがありますが、実は頭皮にも大きなダメージを与えます。
フケや薄毛などで悩んでいる方はできるだけ避けた方がよいでしょう。また、ワックスやジェル・クリームなどの整髪料は
油分が多く頭皮や毛穴に残りやすいので、しっかりと洗い流すようにしましょう。
不潔な状態が続くことによる頭皮環境の悪化
洗髪する回数が少なすぎたり、頭皮につまった皮脂をそのままにしていると、頭皮が不潔になります。
また朝シャンプーをするから夜はしない、という方も要注意。その日の汚れが頭皮につまったままになるのでよくありません。
洗髪のしすぎは頭皮を傷めるので、朝シャンプーする習慣がある方はできれば、夜シャンプーに切り替えた方がいいでしょう。
このようにフケの原因は抜け毛や薄毛の原因とよく似ています。フケ症を改善することは薄毛予防にもつながります。
ではその対策にはどんなものがあるのでしょう?
フケ改善対策
シャンプーの成分とやり方を見直す
洗浄力が高すぎるシャンプーは頭皮に必要な皮脂まで取り除いてしまうため、シャンプーの成分を確認し、自分に合っていないと
思われる時は違うシャンプーに変えてみるのもいいでしょう。フケ対策には、低刺激で無添加のもの、洗浄力がマイルドなアミノ酸シャンプーなどが
おすすめです。またフケ症状の改善に特化した「フケ対策用シャンプー」もあります。さらに洗髪回数も重要です。多すぎても少なすぎてもいけません。
1~2日に1回程度、正しいやり方で洗髪するようにしましょう。
→ シャンプーについて詳しくはこちら
食生活の改善
頭皮の栄養不足や、フケ原因菌の増加を防ぐためには食生活の改善も必要です。
脂っこいものや糖分の多いものはなるべく控えるようにし、野菜をメインにバランスのよい食事をこころがけましょう。
特に髪に欠かせない栄養素「たんぱく質」「ミネラル類」「ビタミン類」「抗酸化作用のある食材」は意識してとりたいところです。
和食中心の食生活に変えてみたり、旬の食材を取り入れたり、ストレスなく楽しく改善できるといいですね。
定期的なストレス発散・運動不足の解消・生活習慣の見直し
新陳代謝をよくして頭皮に栄養を行き渡らせるためには、ストレス発散と運動不足の解消が重要です。
頑張りすぎないよう上手に手を抜く、発想の転換をして頭を切り替える、自分だけの時間を持つ、趣味に没頭する...などなどストレス発散には
いろいろな方法がありますが、自分に合ったやり方で上手につきあっていきたいものです。
また仕事がデスクワークだったり、立ち仕事だったりすると運動不足になりがちですが、ジムに通ったり、特別なことをしなくても運動はできます。
1駅分歩いてみる、エレベーターより階段を使うなど、普段の生活の中でなるべく意識して動くようにしましょう。
その他にも不規則な生活をしていたり、慢性的な睡眠不足がある場合は、規則正しい生活ができるよう気を付けましょう。
パーマやカラーリングなどはなるべく避け、整髪料などは控えめにする。
髪へのダメージを考えるとパーマやカラーリングはしない方がいいのですが、女性ならやっぱりオシャレなヘアスタイルにしたいものですよね?
どうしてもパーマやカラーをしたい方は、美容院で相談してみてもいいかもしれません。最近は刺激の少ない薬剤やトリートメントなど、髪や頭皮を傷めないように
いろいろと工夫されています。ワックス・ジェルなどの整髪料もなるべく使わない方がいいのですが、絶対にダメ!というわけではありません。
使用したらシャンプーの時に頭皮や髪に残らないよう、しっかりと洗い流しましょう。
フケ対策用のシャンプーを使う
フケ症状がひどい時は、フケ対策用のシャンプーが効果的な場合があります。フケ対策用シャンプーは原因菌を減らし、高い保湿力で頭皮環境を改善します。
シャンプーは界面活性剤(洗浄成分)の種類で大きく3つに分かれますが、フケ対策には洗浄力がマイルドで、頭皮に優しい「アミノ酸系シャンプー」がよいでしょう。
他にもいろいろな種類のシャンプーが販売されていますが、刺激の少ない「ノンシリコンシャンプー」や、フケやかゆみの改善に特化した「薬用シャンプー」などもおすすめです。
→ シャンプーについて詳しくはこちら
※脂漏性皮膚炎とは...
頭や顔など皮脂の多い部分や、わきの下などの汗や皮脂が出やすく、摩擦の多い部分にできる皮膚炎の1種。
新生児や乳児にみられる「乳児脂漏性皮膚炎」と思春期以降の成人にみられる「成人脂漏性皮膚炎」とに分かれる。
乳児脂漏性皮膚炎の症状は、髪の生え際や頭皮、額の周辺に黄色いかさぶたや赤い発疹ができるが、かゆみは伴わない。
成人脂漏性皮膚炎の症状は頭や顔、わきの下、背中などに赤いポツポツとした発疹ができ、黄白色で脂っぽいかさぶたのようなものがはがれ落ちたりする。
成人の場合、かゆみを伴うことが多い。遺伝や生活環境、ストレスによるホルモンバランスの乱れ、マラセチアという常在菌によるものなど原因はさまざま。
フケが増えることが多いため単なるフケ症と勘違いしやすいが、自然治癒することは少ないため、皮膚科など専門医の受診が必要。
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